『島からの便り』by亀仙人・宮古島

昼は漁師 夜はバーテンダー


宮古島は 夏のように暖かくなって
風も南風となったのである・・・

また 波も1.5mと穏やかになったので
久々に・・・なんて もんじゃないくらいに
素潜ってきたのである・・・

昨日 タコ獲りオジィが一匹しか獲れていなかったので
少し期待して海に入ったのだ・・・

すると 台風後の真謝は 海中も見るも無残な光景だったのである・・・

最初は 透明度が良くて おっ・・・なかなかイイじゃん!なんで 思っていたのだ
リーフの手前までの深場では 確かに オジィが話していたように
珊瑚で穴が塞がっていたりして ナルホド・・・なんて 感心していたのである

そして いつもの 浅場に入ると 光景は一変して
あの多かった藻が無くなっているよりも 普通の海草すら無くなっているのだ

しかも 前回潜った時には大丈夫だった珊瑚も 白化しているどころか
何も残っていないのである・・・

マジかよ?・・・と 心配しながら さらに いつもの漁場に行くと
地形が変わっているほど 珊瑚の残骸が山積みになっているのだ・・・

それから 今年 収穫が多くなった 奥の奥まで行ったら
もぅ 珊瑚も 何も 残っていないのだった・・・ 全滅 なのだ!!

あの キレイだった何種類もの珊瑚が 何も無いなんて・・・

見ているだけで涙があふれて止まらなくなって
マスクの中に涙が溜まってしまうほどなのだ・・・

宮古島に来て こんなに悲しい気持ちになったのは始めてである

荒れ果てた岩だけの海底には 生き物も何もいなくて
生態系は完全に失われているのだった・・・

あまりに 惨い光景なので 途中で引き返して 少し深場を泳いだんだが 
そっちの方が 少しは被害を免れているようだったのである

陸上の植物は一ヶ月もしたら 新しい葉を出して回復するが
全滅してしまった珊瑚は 10年はかかるんだろうなぁ・・・

そんな中でも オジィは一匹のタコを獲ったんだから 凄いと思うのである
これからは 違う場所を探さねば・・・